通常であればHDD消去ツールをCDやFDから起動させることで、少しの手間でHDDを消去することができますが、古いLet’sNoteはCDやFDからのブートが制限されていることがあります。
しかもLet’sNoteは内部へのアクセスが非常に複雑で分解→組立するのが難しいことがあります。
そうしたPCのHDDを消去するために、tftpでFreeDOSを起動させ、destroy.comでHDDを消去する方法をまとめます。
- 用意するもの
- FreeDOSのimgファイル(http://www.freedos.org/freedos/files/)
- FreeDOSのimgファイルの編集ツール(http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se107750.html)
- HDD消去用のdestroyというプログラム(http://www.vector.co.jp/soft/dos/util/se196626.html)
- tftpブート用のsyslinuxの最新版http://www.kernel.org/pub/linux/utils/boot/syslinux/)
- tftpサーバ(http://tftpd32.jounin.net/tftpd32_download.html)
- 手順
- FreeDOSの準備
- ダウンロードしたFreeDOSのimgファイルを編集ツールで開く
- 開いたimgファイルにdestroy.comをコピーする
- コピー後は特に保存しなくても、imgファイルの編集が反映される
- tftpサーバの準備
- pxelinux.0を取り出す
- ダウンロードしたsyslinux-x.yy.zipを解凍して、./core/pxelinux.0を取り出す
- TFTPD32の設定を行う
- TFTPD32を起動
- GlobalSettingsで、”TFTP Server”、”DHCP Server”にチェックを入れる
- Advanced TFTP Optionsで”PXE Compatibility”にチェックを入れる
- DHCP Serverタブに移動する。DHCPのオプションはご自身の環境に合わせる。”Boot File”には”pxelinux.0″を指定する
- pxelinux.0を取り出す
- PXEBootの準備
- pxelinux.0を使用するため、設定ファイルを作成する
- TFTPD32フォルダにpxelinux.cfgというフォルダを作成する
- defaultというファイルを作成する(sample_default)
- TFTPD32フォルダにpxelinux.0をコピーする
- tftp32.exeと同じフォルダにコピーすればよい
- TFTPD32フォルダに起動用DOSイメージをコピーする
- defaultファイルで指定した通りのフォルダ構成にする
- TFTPD32にフォルダにfdbootフォルダを作成する
- fdbootフォルダに、FreeDOSのimgファイルをコピーする(sampleではhogehoge.imgという名前でコピー)
- fdbootのkernelとしてmemdiskをfdbootフォルダにコピーする
- memdiskはsyslinuxを解凍すると、./memdisk/memdiskに出来ている
- pxelinux.0を使用するため、設定ファイルを作成する
- クライアントをPXEBootさせる
- クライアントPCの準備
- BIOSで、起動順を”Network Boot”を第1位に設定する(名称はBIOSによって異なる)
- サーバ(TFTPD32を起動させるPC)とクライアント接続する(クロスケーブルやSW-HUB等に接続する)
- サーバでTFTPD32を起動させる
- クライアントの電源を入れる
- うまく行けばプロンプトで停止しますので、”1″を入力してFreeDOSでの起動を指示します
- FreeDOSが立ち上がるとA:プロンプトで待機しますので、”destroy.com”を実行します
- destroy.comが起動したら、Drive Selectionで抹消したHDDを指定します。複数のHDDを搭載している場合は、要注意。慎重に対象のHDDを選択します
- HDDの指定が終わればSanitizeです。抹消方式を選択し、実行します
- 完了するまで待機です
- クライアントPCの準備
- FreeDOSの準備
以上となります。記事の不備、分かりにくい点はコメントで指摘いただければ幸いです。